
thumb|250px|right|機械を使った草刈りの例
草刈り(くさかり)とは、まとまった面積の草を根元から切り取ってしまう作業のことである。根っこまで引き抜く作業は草ひき、草むしりという。刈り取って役立てる場合もあれば、切り捨てるのを目的とする場合もあり、後者の場合は雑草取り、草取りとも言う。いずれにせよ、こう呼ばれる場合、草の根元から切り取ることでそれが行なわれる。
前者の例としては、火入れなどによって管理している採草地からススキを刈り取り、牛馬の飼料や堆肥の原料、茅葺屋根の素材とするものが挙げられる。これはイネや麦を収穫する際に根本から刈り取る作業と似ているが、それらは稲刈りや麦刈りと呼ばれて一般の草刈とは区別される。また、人工林など樹木の生えた下の草を刈る場合も草刈りということもあるが、むしろ下草狩り(したくさがり)というのが普通である。なお、次に述べる不用な草を刈る場合にも、それを肥料として利用することがかつては普通に行われた。
後者の草刈りは、人間が土地を利用する場合のもっとも基本的な管理法の一つであり、遷移の進行を止めるための作業である。日本では更地はほぼ1年で草地と化し、数年間放置すればススキなどが侵入して背丈が2mにも達するようになる。このため公園や河川の堤防など、空き地状態を維持する必要がある箇所については、年間に1-2回の草刈りを行なわなければならない。日本で最も組織化かつ頻繁に行われている草刈り作業は、水田の畔や土手の草刈り作業である。これは水稲等の生育障害を起こすカメムシの侵入を遮断するという目的のためにも行われるものである。カメムシ注意報により草刈りの指示が行われている期間には、潔癖という表現に相応しい草刈りが集中的に行われる。
草刈りは背丈の高い植物の侵入を押さえる効果があるが、それを繰り返すことで既存の植物群落の草丈そのものを押さえることもできる。芝生はその極端なものである。
草刈りの方法のは数種あり、狭い範囲なら人が鎌などを使って地道に刈ったり、広い範囲であるならば機械を使って刈る方法がある。
表面に背の高い草が無ければよいだけであれば、刈り取るだけでよいが、畑地のように草そのものの存在を許せない場合には、根まで引き抜く必要がある。
他に除草剤を草本の散布し、すべてまたは対象とした草本だけを枯死させる方法がある。しかし、薬品が土壌に残留して環境を汚染してしまったり、または地下水に溶け込み汚染してしまうこともある。
または、馬や牛などの家畜を使って雑草をエサとして処理することもある。
しかし、現在では草の利用目的に維持されている採草地、草原などは少なくなり、それ以外の場所での草刈で得られた草は、一種の廃棄物として積み上げて腐らせたり、燃やしたりと処理が行なわれることが多い。河川の堤防の草は、昔は刈り取って畑地の肥料とされたが、現在では堤防に捨て置かれる。つまり河川に流入した肥料分で育った植物が、以前はふたたび畑地に戻されていたのに、現在ではそのまま河川域に戻されているので、河川の富栄養化の一因ではないかとの指摘もある。
長期的には、定期的に草刈りが行われる土手や堤防は、遷移の進行が抑えられるために背丈が低く、小柄な草花の生育に都合がよい。アマナやツルボ、あるいは秋の七草に並ぶような植物はこれに依存している面があり、定期的な管理が滞るようになると減少する。